初めてイギリス人カップルがわが家に泊まった時の話
目次
お祭りでの出会い
忘れもしない大学1年生の10月、当時、私は18歳でした。私の実家のある地元は、海岸沿いの小さな村です。その日は、ちょうど地元の伝統的なお祭りの日でした。
年に一度の秋の大きなお祭りの日には、町内の子供たちはお化粧をして数か月間練習してきた太鼓をたたき、中高生の女子は巫女になり神社で代々伝わる「浦安の舞(うらやすのまい)」を歌い踊ります。
そして、青年男性連中は横笛を吹く人や、伝統的なお神楽を舞う人がいて、中年男性連中は、神輿をかついで町内を練り歩きます。
私は、子供時代に太鼓も終わり、巫女になるのも終わり、特に役割もないので、別に祭りだからといって家にいる必要性も感じられず、通常通り、バイトに出かけたわけなのですが・・・。
ま、父は、中年連中として、酔っ払いながら神輿を担いでいたらしいですけど。
そこに、日本各地を自転車で旅をしているイギリス人の若いカップルが、この海岸沿いの小さな村の祭りに出くわして、心を奪われたらしいです。お神輿がとっても気に入ったらしく、パシャパシャと写真を撮り始めたらしいです。
あまりにも熱心に写真を撮っているイギリス人(男性)を見て、私の父は、(←英語しゃべれませんよ、全然!)身ぶり手ぶりで、「そんなに珍しかったら、一緒にかつげ!」と誘ったらしい。
そのイギリス人は、感激して、一緒に、神輿連中に急きょ加わり「わっしょい!わっしょい!」という日本語を、覚えたらしい!(←それは代表的な日本語なのか?)とりあえず、一緒に神輿を担いで、ものすごく盛りあがったらしい!
どうやら意気投合して、(←誰も英語しゃべれませんよ、この時点でも!)イギリス人カップルは、この村で一泊したいといい出し、テントを張っても良い場所を聞いてきたらしい。「公園かどこかに、テントを張っても良いか?」と!
そしたら、父は、「テント?俺とお前の仲じゃないか!家へ来い!そして、わが家に泊まれ!」と言ったらしい。
( ↑↑↑きっと、「カム マイ ホーム」 程度の英語やと思います!)
そして、神輿連中のおじさん方とイギリス人2人、父と私の家族で、夕方から、私の家で大宴会が始まったらしい。当時、携帯電話もポケベルも何も持っていませんでしたから、知らないのはバイトに出かけている私だけという状態。
大宴会スタート!
大宴会っていっても、お互い片言で、どうやって盛り上がるんでしょうね?
で、会話の内容を、あとで聞いたところによると、こんな感じだったみたいです。
イギリス人
「あなたは、、、、、さかなの、、、、、いとですか?」
うちの家族とおじさん連中
「さかなのいとってなんや??????」
しばらく、ひそひそ、ざわざわして、
そのうちの誰かが、
「魚の糸じゃね?釣りする人か?って聞いてんじゃねえの?」
みんなそろって、「イエス!!!!!!!」
こんな感じの会話。
その場にいたら、絶対、ウケてたと思う、、、、、私。
よくもまあ、そんなに、誰も英語しゃべれんのに盛りあがったね!
人生初の通訳体験!
そんなことは、つゆ知らず、私はバイトを終えて、7時ごろですかね帰宅しました。
なんかね、違和感を感じましたね。玄関の戸を開ける前に。
異様な雰囲気を感じたんです。
まずね、知らない自転車、2台。玄関に置いてあってね。
「なんじゃ、こりゃ!」って話ですよ。
ママチャリでなくて、競輪選手が乗るみたいな形のでっかい自転車2台。
「気持ちわるっ!」って思って。
家の中がざわついているのも感じますし、今日はいったい何が起こってる?みたいな気持ちで、おそるおそる戸を開けましたところね、父の第一声が響きました!
「おおおーーーーーー!マイ、チャイルド!マイ、チャイルド!」
(↑↑↑ 18歳にもなった私はもはや、チャイルドでは無い。が、しかし、娘daughterという単語を知らないからね・・・)
そして、二言目に言った言葉。
「おい、待ってたぞ!通訳せい!」
(↑↑↑ 意味わからんし・・・・。今、状況まだつかめてないのに、全然意味わからん。むちゃくちゃや!)
そんな私も、受験英語あがりなので、通訳などできるはずもなく、中学英語レベルで会話したのを覚えています。
珍ハプニング!
宴会の後は、イギリス人にお風呂に入ってもらった訳なのですが、イギリス人が入った後に、風呂に入った母親が、「ぎゃーーーーーーーーーー!」っと叫びまして、
素っ裸で母が次に言った一言!
「お湯が1滴もない!」
( ↑↑↑ ごめん!お母さん。それ、2人に説明するの忘れてた!イギリスは、1人ずつ、お湯抜くんだね!)
結局、一泊して、彼らはどこかへ去っていきました!
そんなカルチャーショッキングな思い出を、ふと、思い出した次第です。
関連記事