海外留学のすすめ【若い人に留学をおすすめする理由】
少し前ですが、海外留学を検討中の中高生と保護者の方向けに、留学に関する経験談やメリットについてお話させていただく機会がありました。
若い人に向けて思いを届けられる貴重な機会をいただけて、感謝しています。
いつになくすごく緊張しました。せっかくなので、内容を短縮版としてまとめてみました。
留学したのは20年くらい前の話なのですが、本当にあの時留学して良かったなと、今だに思っていますので、これから留学を検討される方の、何かしらのお役に立てたらと思います。
留学のきっかけ
では、早速、留学のきっかけと短期留学の話に移りたいと思います。
私は、お恥ずかしい話、英語が全然できませんでした。
ですから、まさか自分が海外留学をするなんて、大学入学当初は、全く思っていませんでした。
大学1年生の10月のことなのですが、なぜか通訳をする機会が、初めて、それも突然やってきました。
ある日、家に帰りましたら、2人の知らないイギリス人が、カップルだったんですけれども、家におりました。
どうやら、通りすがりのイギリス人の旅人が二人、旅の道中で私の父親と仲良くなったらしくて、テントを張るところを探していたらしいのですが、うちに泊まっていくということになったらしいです。
この時、私、家族から通訳を頼まれたのですが、あまりにも英語ができない自分に衝撃を受けました。
神棚とか、「これ何?」とか、「仏壇と何が違うの?」とか聞かれるんですが、全然答えられない。
目の前に日本のファンがいるのに、知識もないし、英語もできないから伝えられないという悔しい経験をしました。
この悔しさといいますか、ショックを、ずるずると引きずるわけです。
そして、ある日、大学の掲示板で、オーストラリア短期留学、参加者募集という張り紙を見つけました。
見た瞬間に、「これ、行くしかない!」と思いまして、大学1年の春休みを利用して、1カ月オーストラリアに行きました。
これが、初の海外経験で初の短期留学です。
短期留学体験
オーストラリア短期留学の経験談を少し写真も入れてご紹介します。
ISAという企業が企画した短期留学プランに申し込みをしまして、他県から参加の大学生に混じって、福井県から私1人で約1カ月オーストラリア留学をしました。
場所は、メルボルンから車で2時間くらいの田舎町でウォドンガというところでした。
日中は、学校で語学プログラムに参加して、学校が終わった後は、ホストファミリーと過ごしました。
こちらは、ホストファミリー。
お母さんがスーザンで、子供はケルビンで、ケルビンは何と1歳でした。
シングルマザーなのに、よく日本人を受け入れてくれたなあと思いました。
とても親切で、お弁当も夕食もしっかり作ってくれました。
子供が寝たらお互い暇なので、ゆっくりテレビを見ながら紅茶を飲んで毎晩1対1で語りました。
ゆっくりわかりやすく発音してくれたのを覚えています。
最後の別れの日は、さすがに悲しくて泣きました。
週末も、ホストファミリーとの時間を過ごします。
別のホストファミリーと、2家族で、コアラとかカンガルーを見に行ったりもしました。
勉強ばかりではなくて、エクスカーション企画(小旅行ですね)もいろいろありまして、大自然を満喫したり、アボリジニーに会えたり、最後にはシドニーやメルボルンの観光旅行もありました。
短期留学のメリット
ここで、短期留学のメリットについてまとめてみました。
ホームステイ体験ができる
一緒に現地の家族と生活をしながら、生の英語や文化などを体験を通して学ぶことできます。
プログラムが充実している
コーディネーターがおり、全体をしっかりまとめて下さったので、何から何までスムーズに進みました。
バスに乗れば連れて行ってくれますし、食事は用意されていますし、あまり苦労することがありませんでした。
英語が多少苦手でも大丈夫
英語ができなくても、それを受け入れ側もわかっているので、ゆっくり話してくれたり、わかりやすく説明してくれます。
だから、不安だけど一回海外に行ってみたい、という人にはおすすめです。
デメリット
デメリットとまでは言えないですが、プログラムがきっちりしているので、自分一人で自由行動するということはちょっと難しいですね。
でも、すごく内容が充実していますし、初めてどこかの国に行ってみたいという方は、
まず短期留学で様子を見てみるということは良いと思います。
1年の留学体験談
次に、長期留学の体験談に移りたいと思います。
オーストラリアの短期留学があまりにも自分に合っているなと思いまして、この後、もう少し長く、最低でも1年海外留学をしたい!と思うようになりました。
お金がないなら自分で作ろう!ということで、大学を2年休むという決断をしました。
1年目、留学資金を作りまして、アルバイトをしましてね、
2年目はアメリカの、カリフォルニア州立大学フラトン校というところで、語学留学をしました。
どのようにしてこの学校に決めたかということも、少しだけ触れてみたいと思います。
留学先をどう決めたか?
では、留学先をどう決めたのか?ということで、色々な国の多くの学校の中から、
自分に合う1つの学校を選んだ方法についてまとめてみました。
情報収集
私は、情報収集から手続きまで全部自分で行いました。
今の中高生の皆さんの周りには、様々なサポート体制が用意されていると思いますので、私みたいに苦労することはあまりないかもしれませんね。
最初はとにかく情報収集を徹底しました。
「成功する留学」 という本を購入しまして、この本を熟読です。徹底的に熟読。
昔は今みたいにインターネットが便利ではなかったですからね。
どこにどんな学校があり、どんな勉強ができるかを全て頭の中にインプットするくらい読みました。
自分のレベルチェック
そして、自分の学力、英語力のチェックです。
TOEFLとかのテストの結果で自分の英語の実力はわかります。
行きたい学校があっても、点数が足りないと受け入れてもらえないですからね。
まずは自分を知ることです。
自分はどうなりたいのか?(将来の理想)
自分のだいたいのレベルがわかったら、
次は、自分はどうなりたいのかな?と、将来の自分をイメージしてみました。
そして、今の自分の実力から、理想のレベルにたどり着くには、どのような学校で勉強する必要があるのかなということを調べて考えてみました。
どのような環境(国や州)で学びたいのか?
最後に、自分が行きたい国や、行きたい場所を決めました。
学習環境や設備、どういうことが学べるのか、いろいろ情報を比較して調べました。
良いなと思った学校には、自分で手紙を書き、一斉に資料請求をしまして、次々と戻ってくる資料を比較検討し、1つの学校を選びました。
アメリカ語学留学
私が勉強した学校は、カリフォルニア州立大学フラトン校のアメリカンランゲージプログラムというところです。
アメリカの大学や大学院にこれからに進学するための英語力を身につける語学学校でした。ですから、クラスメイトは外国人留学生がほとんどです。
ここでしっかりと語学力を身につけて、無事過程を終了できたら、大学や大学院に入学できます。
私はもともと、自分の大学を卒業するつもりだったので、アメリカの大学に進学する予定はなかったのですが、あまりにもできなかった英語力を純粋に磨きたくて、このプログラムで1年学びました。
今度はホームステイではなくて、ルームシェアといって、3人で1つの部屋を借りるという方法で過ごしました。
一緒に住む人を、ルームメイトというのですが、アメリカでは数人で部屋を使うというのは普通です。
1年住んでいる間に、度々ルームメイトが変わりますので、色々な国から来た学生と一緒に過ごせていろいろと面白かったです。
語学研修プログラム
以下は、語学学校で受講した主な授業の内容です。
Readingは読解の授業。色々な記事や文章を読みました。
Vocabularyは語彙を増やす勉強です。
Grammarは文法の時間。TOEFLのテスト対策もやりました。
Compositionというのは、作文といいますか、エッセイとか論文の書き方です。
Public Speakingは、スピーチを作って大勢の前で話すという授業です。
もちろん、全部授業は英語ですから、リスニング力がないと厳しいですね。
3カ月くらいしたら大抵のことは聞こえるようになりましたが、慣れるまでは、結構リスニングでストレスがたまりました。
授業も、日本みたいに先生が前で話して生徒はノートを取るといったスタイルではなくて、例えば、読解の時間でも、先生に「あなたどう思う?」とか当てられて、どんどん発言して議論するといったスタイルが多かったです。
日本人はもともと大人しいですから、ディスカッションとかになると黙ります。
私ももれなく、最初は大人しい学生でした。
他の国の留学生は、どんどんディスカッションでも発言しますね。
失敗を恐れず、積極的に話す人は、スピーキング力も上達が早いです。
私も、最初は特にスピーキングは慣れずに苦労しましたけど、これではいけないなと、周りに刺激されて、少しずつ自分の意見も話せるようになっていきました。
これはクラスメイトです。
授業に出ることは一番大事ですが、それ以外は基本的に何をやっても自由なので、勉強したり、映画を見たり、友達とおしゃべりしたり、料理をしたり、とにかく、好きなことをして過ごしていました。
ネイティブのアメリカ人とも話をしたかったのですが、英語がまだうまくしゃべれないうちは、アジア人と英語レベルが似たもの同士で、下手ながらに結構練習相手になってもらって、慣れたらネイティブの人とも自信をもって話せるようになっていきました。
英会話に関しては、ミスをたくさんしながらでも良いので、たくさん量をこなすことは、最初は大事だと思います。
留学生活(友情)
「友情」と、タイトルに入れてみましたが、留学中の時間の使い方は自分次第です。
じっとしていても、1人で部屋にこもっていても、時間は刻一刻と過ぎていきます。
部屋にこもって勉強していても時間が過ぎます。
でも、机に向かって勉強するのは、日本でもできるわけですよ。
だから、せっかくアメリカにいるんだから、アメリカでできることをすべきだと思いました。日本で1人でできることは日本でやろうと。
ここでしかできないこと、味わえないこと、体験できないことをやろうと思って行動していました。
特に、人との交流はここでしかできないと思ったので、部屋から出て、できるだけ多くの人と交流することを頑張りました。
留学生活(旅行)
休みの日には、旅行やドライブにも、あちこち、いろいろな人と出かけました。
行動するといろいろ面白いことに出会いますね。
日本人とも仲良かったですが、ルールをきめて、日本人同士でも英語でしゃべろうというルールで旅行しました。
日本人と一緒にいて、日本語をしゃべっていたら、そこは日本と変わりませんからね。
留学生活(ボランティア)
遊んでばかりではないという証明のために、ボランティアの写真も載せました。
3週間くらい学校が休みの時期がありまして、みんないろいろ旅行とかに行って、私はまだ先が長いので、お金を使いたくなくて、でも何か有効に時間を使えないかなと思いまして、地図を広げて、自転車で行けるところに、老人ホームを発見しましたのでちょっと勇気を出して行ってみました。
「ボランティア、いりませんか?」って、突然ですが、あいさつに行きましたところ、
その場で、快く「いいよ!」といわれまして、そこで、しばらくボランティアをしました。
別に、大した仕事ではなくて、ご老人と一緒に昼ご飯を食べて、話し相手になってただけなんですけど、そこのおじいちゃんおばあちゃんとすごく仲良くなれました。
お金かからず、迷惑もかけず、感謝されるうえ、英会話も上達できますので、ボランティア活動はけっこうお勧めです。
ほんのちょっと勇気があればできますね。
留学のメリット
ここまで、2つの留学経験についてお話しましたが、次は、「留学ってこんなところが良いな」と私が思うメリットについて、3つご紹介したいと思います。
日本を客観的に見ることができる
日本という国からしばらく離れてみて、海外で暮らしてみることに価値があると思います。
例えば、福井にだけ住んでいるとわからないことも、県外に出てみると、あ、福井って
結構こういうところがいいねとか気づくものですよね。
海外から見てみると、日本ってこんな国なんだね!ということが、他の国と比較することで、良いところも悪いことも含めて、より深く理解できますし、自分の国への愛着もわきます。
体験を通して学ぶことができる
例えば、私、初めてアメリカの空港に着いて、右も左も分からない状態で、タクシー乗り場に行ったんです。
そしたら、タクシードライバーが、70歳は超えているであろう、顔もしわしわのおばあちゃんでした。
そのおばあちゃん、爪も綺麗に真っ赤なマニキュアを塗っていて、オシャレな服装で、生き生きと仕事をしている感じでした。
私は、何て自由な国に来たんだとびっくりしたのを覚えています。
男だからとか、女だからとか、若いからとか年を取っているからとか、あんまり気にしなくていい、自由な国なんだね!って肌で学んだといいますか。
実際に海外に行って、体験してみないとわからない文化や価値観などをたくさん学べます。
国際的な感覚が身につく
私が留学したアメリカは、特に「人種のるつぼ」ということで、日本にいては身に付かないであろうインターナショナルな感覚といいますか、世界の多様な考え方や見方、価値観を知ることで見識が広がると思います。
井の中の蛙から、大きな海に出るといいますか。
目の前に広い世界が見えるようになります。
留学前に準備しておくべきこと
では、次に、私の経験からですが、留学前に準備すべきことについて3つ挙げてみました。
できるだけ語学力アップ
1つ目は、語学力アップです。
英語圏でしたら英語、中国でしたら中国語ということですね。
もし今後、海外の高校や大学に進学したいという場合は、本当にしっかりした語学力を
身につけていかないと、精神的に大変な思いをするかもしれませんね。
新しい生活で慣れるのが大変な上、簡単な英語も通じないとなると、余計なストレスが溜まってしまいます。
ただでさえ家族と離れて寂しいのに、英語も通じないとなると、相当孤独です。
そうならないためには、しっかり語学力を身につけておいた方が良いです。
また、優秀な生徒さんには、様々な特典やサポートがあったりしますので、今のうちに勉強を一生懸命頑張って、例えばTOEFLなどのスコアを伸ばすなどすると、選択肢が増えると思います。
日本についての知識や教養
2つ目は、日本についての知識や教養を身につけることです。
私は若い時、あまりにも知識や教養がなさ過ぎて、恥ずかしい思いもたくさんしました。
ですから、これから留学される方には、日本の歴史や文化などの知識をある程度もって
海外に行ってほしいなと、個人的な意見です。
「留学する理由」を明確に!
3つ目は、「なぜ私は留学するのか?」という、留学する理由を自分の中で、はっきりさせておくということです。
留学というと、楽しそうな雰囲気は感じられるかもしれませんが、時々、挫けそうなときもやってきます。
そういう時に、「なぜ私は留学しているのか?」という理由がはっきりしていると、比較的乗り越えられると思います。
例えば、辛いことが起きた時に、留学した理由が
友達が行ったから私も留学した
親がすすめるから留学した
今の生活がつまらないから留学した
といった消極的なものだと、くじけやすいと思います。
でも例えば、イチロー選手のように、「将来こんな自分になりたいという理想像」とか、「ワクワクするような目標」とか、「勇気や希望がわいてくる夢」などが理由であれば、けっこう簡単に乗り越えられると思います。
モチベーションの維持をするために、自分の中で理由をはっきりとさせておくと良いと思います。
中高生の皆さんへのメッセージ
最後になりますが、中高生の皆さんへ、僭越ながら、人生の少し先を進む先輩として3つのメッセージを送りたいと思います。
若い時の経験は必ず人生の肥やしになる!
海外で1人で学ぶということは、大きな自信につながります。
今はご両親やご家族の皆さんに、おんぶに抱っこで、何かなら何までお世話になってきたかもしれません。
1人で、言葉が上手く通じない異国で、何かやってみるという時に、次から次へと様々なことが押し寄せてくるわけです。
それを自分で何とか人の協力も得ながら解決してゆくわけですね。
一生懸命頑張った経験は、目には見えないですが、将来必ず役立つ大きな力となると思います。
自分の夢や将来の理想像を大切にしよう!
2つ目は、自分の夢や将来の理想像を大切にしよう!ということ。
こんなことをやってみたいけど、でも、できるかな?できないかな?と不安になるかもしれません。
でも、イチロー選手もよく言われますが、できるかできないかを考えるのではなくて、
どうなりたいか?自分はどういう人になりたいのか?ということを常に心に描くということです。
良い自分のセルフイメージを持つことは、困難に出会った時でも、くじけず前に進むためには、とても重要だと思います。
チャレンジは自分を大きく成長させてくれる!
3つ目は、チャレンジは自分を大きく成長させてくれる!ということです。
やってみたいと思ったことがあったとして、行動してみると、助けてくれる人が次々現れるものです。
動いてみると何かは見つかるし、大人になっても役立つのが「行動力」だと私は思っています。
チャレンジしてみることで、自分に自信がつきます!
自信というのは、過剰すぎるのはどうかと思いますが、ある程度の自信は、将来たくましく生きていく上で、大人になった時のために大切な、かけがえのないものだと思います。
別に留学でなくても、何か迷っていることがあったら、えいや!と飛び込んでみることをおすすめします!
ぜひ、どんなことでも良いので、一歩前にふみだすと、新しい世界が目の前に広がると思います。
まとめ
では、最後に、有名なリンカーンの言葉で締めくくりたいと思います。
Where there’s a will, there’s a way.
「意志あるところに 道は開ける。」
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。<m(_ _)m>